日々の星取り表

自分の人生の備忘録代わりに。

最近読んだ本・記事(2023年6月〜7月)①

約1年5ヶ月振りの更新になってしまった。その間仕事ではコロナの関係で休止していた業務が再開したり、旅行に行ったり、資格試験の勉強をしたりと色々あったのだが、まったく更新していなかった…。

そもそも文章を書く習慣がないのが問題なので、まずは些細なことでも記録していこうと改めて思う。

というわけで、備忘録として最近読んだ本や記事について書きたいと思う。

・最近読んだ本

1.『万事快調(オール・グリーンズ)』波木 銅 2023年

2021年に第28回松本清張賞を受賞した本。当時Twitterで誰かが紹介していたのを覚えていて、たまたま本屋で文庫化されていたのを見つけて購入。

主人公は茨城県の工業高校に通う女子高校生。ある出来事から大麻の種を手に入れ、同級生とともに栽培し売り捌くビジネスを考えるが…という物語で、文体に疾走感があり一気読みしてしまった。

個人的には小説というより、1本のクライムサスペンス映画を見ているような感じで、全編を通して成功と破滅が隣り合わせのヒリヒリ感がとても面白かった。

 

2.『首里の馬』高山羽根子 2023年

2020年に第163回芥川賞を受賞した本。6月23日に、そういえば今日は慰霊の日だな、と考えていたところ本屋でたまたま目に入り購入。

沖縄を舞台に、「問読者」という架空の仕事をしている女性を主人公にした物語。作中で出てくる琉球競馬(ンマハラシー)が個人的には興味深く、参考文献として挙げられている本も読んでみたいと思った。

 

3.『無言板アート入門』 楠見 清 2023年

文字が読めなくなった注意看板や使われていない駅の広告など、街中にある機能してない掲示板(=無言板)を著者が集め分類した本。

いわゆるトマソン的な本で、普段気に留めていないが意識して見れば溢れているものに着眼点を置く、という点が面白かった。

 

4.『コレモ日本語アルカ? 異人のことばが生まれるとき』 金水 敏 2023年

「〜ある」「〜よろしい」など、小説や漫画などのフィクションでいわゆる中国人が話している「アルヨことば」、のルーツやどうやって創作物に広まっていったかを解き明かした本。

特に第5章で、戦後創作物の中で「アルヨことば」が広まり、今日までその話者や語法がどのように変化していったかを記述した部分がとても面白かった。

 

5.『サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する』 梯 久美子 2020年

南浦和にある古本屋「ゆとぴやぶっくす」さんで購入。

林芙美子宮沢賢治、2人の作家が戦前に樺太を旅した際の足取りを著者が追った本。特に第二部では妹を亡くして1年後の宮沢賢治の旅程を辿るとともに、賢治が書いた詩が随所に挿入され、夏の樺太の風景や植物を追体験しているような気分になった。

 

6.『「逆張り」の研究』綿野 恵太 2023年

著者が前に出した『みんな政治でバカになる』がとても面白かったので、この本も購入。「逆張り」という言葉を手がかりに、Twitterを中心にインターネットの空気を研究した本。

日々の論争に正直うんざりしている自分としてはとても楽しく読めたし、特に第9章では「いま」の中ではなく「いま」自体を相対化できる別の視点を持つことの意味が語られていた部分が特に面白かった。

本に書かれてることとは違うが、旅行に行き普段とは違う風景や風土を見たり体験すること(「いま」とは違う空間に身を置くこと)は、自分の普段の思考に影響しているのかな、とも思ったりした。

 

長くなってしまったので、続きは次の記事で書きたい。

(なるべく早く書けるようにしたい…!。)